2日目の朝は。。。
お爺ちゃんの”しゅん!朝飯買って来たぞ!喰えぇ~”
の!大声で起こされた。
シャワーを浴びて外へ出ると、焼き鳥ともち米ご飯が用意されていた。
もう時間は、朝の9時だった。
気温が低く、東北人の俺には爆睡を誘ってくれた。
なんとも気持ちが良い朝だろうか。
Tシャツと短パンで、少しブルッと来る涼しさ。
こんな景色を眺めながら、ゆっくりと鳥肉を啄み、もち米を食べる贅沢な時間である。
部屋の中では、お爺ちゃんの大声。
怒っているのではなく、普段の会話が大声なのだ。
暫くすると、食事をしている俺の隣に座って、何やら愚痴を言い始めた。
老人なので、痰が絡まったような声を出すので、食欲が失せた。
一通り話終えると何処かへ行ってしまった。
その後にアンから聞くと。。。
お爺さんは、家族の長老で、近くの少しだけ大きな家で一人で暮らしているのだと。
周辺の土地は、お爺さんが所有し、家族がその土地で暮らしているのだと。
アンの母や母の姉妹が、この長屋の様な建物に住んでいるのだ。
実は、建物は繋がっているようで繋がっていない。
それぞれ、娘には旦那が居て孫が結婚し、曾孫まで住んでいるのだ。
お爺さんの全ての家族が住んでいるのではないが、住んでいる人達は全て家族、親戚な訳だ。
昨日の、宴会に来た面々は全て家族か、親戚だったのだ。
周辺は、親戚だらけなのである。
アンが買って来た朝ごはん。
彼女が、この1匹を全て食べられる訳も無く、大声で。。。
”朝飯だぁ~”
と!叫べば、ポロポロと、何処からか人が顔を出す。
その中に、お爺さんの姿は無い。
厄介者のようである。
昨日の宴会にも顔を出さなかった。
一家と言えども、微妙な好き嫌いがある世界は、日本と変わらないのである。
ところで、今までの写真で気付いただろうか?
少なくともアンの一家、親戚連中の主食は”もち米”である。
昼過ぎになって、親戚が、こんな物を持って来た。
籾殻が詰まっている。
これは、過去に何度か試していたので直ぐに判った。
”ラオウー”
である。
水、炭酸水などを入れて、専用のストローで飲む。
口に広がるのは、酒となる。
そんな田舎の不思議な壺。
ちなみに、1壺150バーツ。
さて、俺が想像していたのは、田舎の農家。
実は、そうではなく、だからと言って都会でもない所に、アンの実家はありました。
家から大通りまでは、100m足らず。
大通りとは、ウドンタニとサコンナコーンを結ぶ国道22号線である。
近くには、小学校から高校まであって、アンは歩いて通ってたそうだ。
この犬は、俺と1日中遊んでくれた。
近くのアパートに住む人が、飼っていたそうだが、引っ越しと共に捨てられたそうだ。
そのアパート付近を寝床として、日中は此処に遊びに来ては餌をネダルのだ。
この日の宴会には、参加してくれた。
夕方近くになって、炭に火が入れられた。
昨日、買った鳥を焼く。
日も陰り、家から子供が出て来た。
俺が買って来た服を着ていた。
タイも田舎へ行くと子供が多いのだろうか。。。
そんな事を感じた。
平和なのだろう。
こうして、親戚の子供を誰かがあやす姿は、古い日本でもあったのだろうが。。。
都会に居ると、時間は速い。
しかし、俺も久々の田舎であったが、本当に時間が流れるのが遅かった。
何も考える事も無く、動く事も無く。
そんな時間を過ごしたのは、大学生の時に参加した海でのキャンプ以来ではないだろうか。
夕方前に、再び2ケツバイクで市場にアンと行った。
イカの炭焼きが喰いたいと言ったリクエストがあったのだ。
まぁ。。。此処は海の幸には遠い所である。
再び宴の始まり。
昨日は、蚊がいっぱい。
滅茶苦茶刺された。
今日は、虫よけクリームに蚊取り線香。
本当に不思議である。
俺が、あれほど刺されたのに、タイ人はまるで平気。
刺されても痒くない?
刺されない?
判りません。
でました。
虫。
キャ!など言う奴は無し。
まるで、ピーナッツを食べるがごときに食べて行く。
無視!
今日も、入れ替わり立ち替わり。
美味しかったのは、これ。
もち米を焼いてくれた。
これが、シンプルでも最高に美味しかったのだ。
ソムタムも出て来たが、辛そうなので。。。
明日は、俺がバンコクへ帰る日で、最後の宴となり、いろいろな人がやって来た。
誰が誰なのか全く不明。
22時過ぎになっても終わる雰囲気も無いが、睡魔が襲って来た。
記憶が無くなる前に寝よう。
そう思って、挨拶をして。。。
ふと空を見上げると。。。
何と!そこには、満天の星空が広がっていたのだ。
バンコクでは一度も見た事が無い星空。
いやいや!
日本では見た事も無い星も多かった。
その素晴らしさに感動。
もしかすると、タイで初めて見た満天の星空かも知れない。
言葉が出ない。
この星空を見る事が出来ただけでも旅の価値は充分でした。
カメザコさんが言っていた。。。
田舎はゴミがいっぱい。
でも、星もいっぱいなのである。
来て良かった。
そんな、サコンナコーンの最後の夜でした。
つづく
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